説明
実力も運のうち 能力主義は正義か? 単行本 – 2021/4/14
マイケル・サンデル (著), 本田 由紀 (その他), 鬼澤 忍 (翻訳)
100万部突破『これからの「正義」の話をしよう』から11年。格差と分断の根源に斬りこむ、ハーバード大学哲学教授の新たなる主著。
〈ブルームバーグ、ガーディアン紙ほか年間ベストブック〉
ハーバード大学の学生の三分の二は、所得規模で上位五分の一にあたる家庭の出身だ。
にもかかわらず、彼らは判で押したように、自分が入学できたのは努力と勤勉のおかげだと言う――。
人種や性別、出自によらず能力の高い者が成功を手にできる「平等」な世界を、私たちは理想としてきた。
しかしいま、こうした「能力主義(メリトクラシー)」がエリートを傲慢にし、「敗者」との間に未曾有の分断をもたらしている。
この新たな階級社会を、真に正義にかなう共同体へと変えることはできるのか。
超人気哲学教授が、現代最大の難問に挑む。
出版社: 早川書房 (2021/4/14)
発売日: 2021/4/14
言語: 日本語
単行本: 384ページ
サイズ・寸法: 13.6 x 2.8 x 19.4 cm
【本書の内容】
≪もくじ抜粋≫
序章 入学すること
第1章 勝者と敗者
第2章 「偉大なのは善良だから」
──能力の道徳の簡単な歴史
第3章 出世のレトリック
第4章 学歴偏重主義
──何より受け入れがたい偏見
第5章 成功の倫理学
第6章 選別装置
第7章 労働を承認する
結論──能力と共通善
●著者について マイケル・サンデル(Michael J. Sandel)先生
1953年生まれ。ハーバード大学教授。専門は政治哲学。ブランダイス大学を卒業後、オックスフォード大学にて博士号取得。2002年から2005年にかけて大統領生命倫理評議会委員。1980年代のリベラル=コミュニタリアン論争で脚光を浴びて以来、コミュニタリアニズム(共同体主義)の代表的論者として知られる。類まれなる講義の名手としても著名で、中でもハーバード大学の学部科目“Justice(正義)”は延べ14,000人を超す履修者数を記録。あまりの人気ぶりに、同大は建学以来初めて講義を一般公開することを決定。日本ではNHK教育テレビ(現Eテレ)で『ハーバード白熱教室』(全12回)として放送されている。著書『これからの「正義」の話をしよう』は世界各国で大ベストセラーとなり、日本でも累計100万部を突破した。他の著作に『それをお金で買いますか』『ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業』、編著に『サンデル教授、中国哲学に出会う』(以上早川書房刊)がある。2018年10月、スペインの皇太子が主宰するアストゥリアス皇太子賞の社会科学部門を受賞した。
●翻訳者について 鬼澤忍(おにざわしのぶ)先生
1963年生まれ。成城大学経済学部経営学科卒。埼玉大学大学院文化科学研究科修士課程修了。訳書にサンデル『これからの「正義」の話をしよう』『それをお金で買いますか』、アセモグル&ロビンソン『国家はなぜ衰退するのか』(以上早川書房刊)、クリスタキス『ブループリント』(共訳)、シャイデル『暴力と不平等の人類史』(共訳)ほか多数。
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