当たるも八卦、当たらぬも八卦?
「当たるも八卦、当たらぬも八卦」の、あの八卦です。読み方は、(はっけ)または(はっか)と読みます。
占いの常套句としての印象が強いこの『八卦』ですが、風水や易の世界ではもう少し奥深い意味を持ちます。
八卦とは、この宇宙のありとあらゆる事物事象、天地自然から人間社会に至るまで、森羅万象を8つのエネルギータイプに分類したものです。
八卦の分類
八卦には、以下の8つの分類があり、それぞれに異なる自然現象が割り当てられています。
- ☰「乾」(けん) = 天
- ☱「兌」(だ) = 沢
- ☲「離」(り) = 火
- ☳「震」(しん) = 雷
- ☴「巽」(そん) = 風
- ☵「坎」(かん) = 水
- ☶「艮」(ごん) = 山
- ☷「坤」(こん) = 地
左側の横棒を爻(こう)と言います。
爻には、⚊(陽爻)と、⚋(陰爻)の二種類があり、八卦は、この爻を3つ組み合わせた三爻で出来ています。
太極から⇒両義⇒四象⇒八卦ができるまで
古代中国の書物「易経(えききょう)」の繋辞伝(けいじでん)には、「易に太極あり、これ両儀を生じ、両儀は四象を生じ、四象は八卦を生ず」と記されています。
これは、太極から段階的に分化して、八卦が生成されたことを表しています。
※図にすると以下のようなイメージです。
太極とは
太極(たいきょく)とは、易学等の古代中国の哲学において、『万物の根源』として重視された概念です。
宇宙の起源や、万物の実在を規定する唯一の真理、とも言われています。
解釈によっては、「太極は無極から生じる」とされたり、無極と同一視して、「無極にして太極」とされることもあります。
何もない「無」であると同時に、原初の宇宙のエネルギーに満ちた状態、まだ陰陽に分かれる前の混沌、それが太極です。
両義とは
両儀(りょうぎ)とは、万物の根源である『太極』から分化して生じた二極のことを言います。
風水で代表的なものでは、陽と陰、または、天と地。
あるいは、男と女、表と裏、剛と柔など、解釈は様々ですが、太極から生じた二つの対立する事物のことを両儀と言います。
四象とは
四象(ししょう)とは、⚊(陽爻)と、⚋(陰爻)の二種類の爻を、2つ組み合わせたもので、⚌(老陽または太陽)、⚍(少陰)、⚎(少陽)、⚏(老陰または太陰)の四種類の象の総称を言います。
象とは、「すがた・かたち」を意味しています。
解釈は様々ですが、四季(春夏秋冬)や五行(木火金水)などが代表的です。
八卦とは
八卦(はっか)とは、伏羲(ふっき・ふくぎ)によって画かれた易における8つの基本図象で、四象にもう一つ陰陽の爻を重ねた図象です。
先述の自然現象以外にも、季節や人間関係、方位・色・数字など、風水では、あらゆる事物事象を、八卦が持つ性質に照らし合わせて考えます。
また、易占いで用いられる六十四卦(ろくじゅうしけ・ろくじゅうしか)は、この八卦を上下に2つ重ね合わせて構成されています。
※この記事を担当したのは、見習い風水師の K(勉強中)です
最後に、この記事を担当したのは、見習い風水師の K(勉強中)です。
知識や経験が浅いため、間違いがあるかもしれません。
また風水には複数の流派があるため、解釈の違いや説明不足な点もあると思います。
そのような点に気付かれた場合は、ご指摘いただければ幸いです。
また、他の先生方が書かれた同種の記事もご参照ください。